ウルトラライトハイキング、EDCに最強のモバイルバッテリー NITECORE NB10000
モバイルバッテリーと言えば日本ではAnker一強。
しかしアメリカのウルトラライトハイカーたちの間では、このNITECORE NB10000 が人気なようで、気になって購入してみました。
NITECOREは中国のメーカー。ハイクオリティで値段も高くない、USB-C対応製品が多く、開発スピードや性能、軽さは卓越している印象。
ウルトラライトハイカーさん達にも、ヘッドライトとモバイルバッテリーはNITECOREが人気のようです。
家にNITECORE製品が増えてきたな…
NITECORE NB10000を選ぶ理由
理由は10,000mAhで世界最軽量の軽さとコンパクトさそして防水性能。
よく似たAnkerのPowerCore Slim 10000と比較してみると
NITECORE NB10000 | AnkerPowerCore Slim 10000 | |
サイズ | 121.9 mm x 59 mm x 10.6 mm | 約150 x 69 x 15 mm |
重量 | 150 g ± 3 g | 212g |
防水性能 | IPX5 | – |
最大出力 | 18W | 20W |
容量10,000mAhのモバイルバッテリーは一般的に180g~260gほどあるので、150gは驚きの軽さです。
PSEマークがない
NITECORE の充電器やバッテリー全般に言えることですが、(日本の市場に興味がない?)、日本独自の電気用品安全法PSEマークがありません。
だからと言って、必ずしも信頼性がないというわけではありませんが、日本での販売や、販売目的での輸入、転売、中古での販売も禁止されているので、購入される方は個人での使用にとどめておきましょう。(PSEマークには賛否両論あります)
PSEマークがないので日本でレビューする人もあまりいませんね。
モバイルバッテリーに求めるもの
信頼性はもちろんのこと、充電速度、コンパクト性、低価格。
用途別に求めるものが違います。
空調服、電熱ベスト用
例えば、空調服や電熱ベストに使用するなら、10,000mAh、コンパクトで軽く、充電速度は求めない。
交換用バッテリーも複数欲しいので値段は安い方が良い。
重さ160gと、NB10000にせまる軽さです。出力入力共に10W↓
最新スマホ、タブレット、ゲーム機用
充電速度重視。例えばPixel 6 Proは23W、iPhone13Proも23W。iPhone13ProMaxなら27Wで高速充電可能です。スマホやSwitch(12W)、タブレット端末を充電しながら使用する方、複数同時充電する方。最大出力25Wまたは30W↓
車用ジャンプスターター
車に積んでおくためのモバイルバッテリー。
誰もいない、電波も届かないところでバッテリー上がり。スマホの充電もほとんどない。考えただけでゾッとしますね。転ばぬ先の杖。
登山、ハイキング、キャンプ用
今回レビューするNB10000はここです。
トレイルランニング用に開発されているので、数gを気にするウルトラライトハイカー、防水性を求めるキャンパー。余計な荷物をできるだけ軽くして、その分レンズ等を持っていきたいカメラマンにもおすすめできます。
開封
発売日は2020年4月頃。アメリカでの定価は$59.95-。
日本国内価格は高すぎるので今回もアリエクスプレスから。
ぽちっとしてから到着まで約一カ月かかりましたが、箱は綺麗な状態。
お値段6,428円(購入時)で送料無料。
それでも10,000mAhのモバイルバッテリーとしては相場の約2倍のお値段です。
予想通りではありますが、めちゃくちゃコンパクト&ハイクオリティ。
内容物は
・バッテリー本体
・ケーブル
・ステッカー
・各国の取扱説明書(日本語あり)
・保証書
青いインジケーターLEDは3段階で非常に見にくい。
これは海外のレビューサイトでも散々な言われようでしたが、まあボタンとインジケーターを兼用にしなければならないほどコンパクト性にこだわった結果。ということなのかもしれません。
世界最小・最軽量
「世界最小級」を謳うバッテリーはいくらでもある中、「10,000mAhで世界最小、最軽量」と言い切ってます↓
手持ちの10000mAhのモバイルバッテリーと比べてみました↓
NITECORE NB10000は丸みがなく、非常にコンパクトで薄い。
重量も、手に持ってハッキリとわかるくらい違います。
しかし21700電池を2本内蔵している写真左のRAVPOWERも187gとなかなか健闘しています。
一番右のAUKEYは3台同時充電可能などのメリットはあるものの、やはりずっしり重く大きいです。
以前購入した超薄型のTNTOR 5000mAhバッテリー↓
容量は半分ですが、サイズ感はむしろこっちに近いです。
TNTOR は極薄でマグフォース0271や、Maxpedition mini、microポケットオーガナイザーなどのEDCポーチにピッタリなんですが、NB 10000もスッキリ入ります↓
グラムあたりの電力効率が3500mAhの18650電池より22%も良いとのこと↓
材質
本体フレームの材質は、CFRP(炭素繊維強化樹脂)。アルミよりも、軽くて強く、振動衝撃低減、熱による膨張性が低いなどの特徴があります。
表面裏面は非常に薄いカーボンファイバーシートでカバー。
低電流モード
モードボタン長押しでON、白色LED点灯。
AppleWatchやイヤホン等の小さなウェアラブルデバイスを充電している時に、数分すると勝手に電源がオフになって、充電をやめてしまうモバイルバッテリーがたまにいます。
低電流モードは、節電のためのオートパワーオフを回避するモード。
これがあるのとないのとでは大違いです。
(ちなみにこのバッテリーは、純正ケーブルでAppleWatchを充電する場合、低電流モードにする必要はありません)
パススルー充電対応
パススルー充電とは、モバイルバッテリーとスマートフォン等を同時に充電できる機能のこと。
・すべての機器を充電して今すぐ寝たい
・ホテルや旅館で寝ている間にすべて満充電にしたい
・コンセントは一つしかないがどちらも充電しておきたい
などの場合に有効です。
防水性
IPX5は、水の噴射を直接浴びても機器本体に有害な影響がないとされる防水性。
ザックの中で水漏れ、テント内の結露、飲み物をこぼしてしまった!などによる水濡れがあってもバッテリーは大丈夫という安心感はなかなか良いです。
世界最小最軽量でさらに防水っていうのは、かなりありがたい。
充電速度
NB10000の最大出力はUSB-A、USB-Cともに18W。入力も最大18W。
In/Output 1 | USB-C: 5V-3A / 9V-2A / 12V-1.5A |
Output 2 | USB-A: 5V-3A / 9V-2A / 12V-1.5A |
20Wや30Wのもっと高出力なスペックなモバイルバッテリーもありますが、登山やハイキングにおいては、必要十分かと思われます。
最新のスマホを除き、ほとんどの小型機器が最高速で充電できます。
充電ケーブル選び
急速充電が必要な場合は、メーカー純正やAnkerなどの高品質なケーブルの方が充電速度は明らかに早いです。
iPhoneには、やはり純正USB-C to Lightningケーブルが安心で高速。長さの選択肢があまりないのが残念。1mで重さは19.7g。
純正でもっと短いのください。
Apple Watch用純正USB-C充電ケーブル30cm(残念ながら廃番)は実測19.8g。
Apple Watch シリーズ7に付属の高速充電ケーブル1mは実測31.2gでした。
AppleWatch などのウェアラブル機器の場合、寝ている間に充電するよりも、寝る前に充電を完了させたいので、11.4g差なら高速充電ケーブルを持って行ったほうが良いかもしれません。
ぜひ30センチ版の純正高速充電ケーブルも出してほしい。
Apple製品を使っている方はケーブルの種類が多くなってしまいますね…
Lightningケーブル、Apple Watch高速充電ケーブル、NB 10000に付属のUSB-C to USB-Aケーブル。合わせて66g。NB 10000と合わせると216g。
ケーブルの長さを短いものにすればもう少し軽量化できます。
ウルトラライトを目指すなら、急速充電が必要かどうかも見極める必要がありますね。
USBテスター
ケーブル選びのお供に。
いつも使っているUSBケーブル、アダプタ類に、出来の悪い子がいるかもしれません。旅先でトラブルにならないようテストしておきたいですね。
実際に今何Wで充電しているか、数値で確認できると、ケーブル選びの参考になりますし、面白いです。
ちなみにテスターの重さは約15g。
ポーチ類
NB10000にはポーチは付属していません。
せっかくの軽さを台無しにしたくないので、まとめるポーチも軽量なものを。
WANDERLUST EQUIPMENTのスタンドコジー。
素材はX-pac、タイベック、DCFの3種類。
写真のDCFブラックなら17g、実測16.2gと、持ってるか持ってないかわからないくらい超軽量。
しかもNB 10000がピッタリ入る幅で気持ちがいい。
高い断熱性能を持つアストロフォイルで極寒の中でも安定した充電が可能。衝撃吸収性もあり、表面のDCFで耐水性もあります。
本来の機能であるアルファ米などのための保温容器、兼モバイルバッテリーポーチとして、2つの役割を持たせられます。EDCやウルトラライトでは「一つ二役以上」が重要になってきます。
これほど理にかなった組み合わせもなかなかないかもしれません。
EDCオーガナイザーにも
もちろんMaxpeditionや、マグフォースなどのEDCオーガナイザーもおすすめ。より多くのギアを詰め込みたいEDCポーチとNB 10000の相性は抜群です。
まとめ
NITECORE NB10000は、10,000mAhで世界最小最軽量、なのに高速充電、防水、低電流モード、パススルー充電と、すべてをハイレベルで兼ね備えたトレイルランナー用ウルトラライトモバイルバッテリー。
他とは違うハイレベルなモバイルバッテリーが欲しい方、そろそろモバイルバッテリー買い替えかなーと思っているアウトドアな方も検討の価値ありです。
ちなみにNITECORE NBシリーズには他に20000mAh、5000mAhの容量があります。気になる方はそちらもぜひ調べてみてくださいね。
ただし、PSEマークはありません…
本日も最後までご覧いただき、ありがとうございました。
追記
NITECORE NB10000に第2世代が登場したようです。AliExpressのリンクはこちら。